ダイソー プチ電車シリーズの線路の憂鬱
線路にまつわる改造ネタ諸々
▼走行安定性向上▼
- つなぎ目の段差対策
- ターンアウト、ポイントの動き改善(可動部が円弧状の穴と接触しているため動きが悪いのを解消して脱線防止)
- リレーラーレール(プラレールアドバンスで言うところの「ガイドレール」、脱線解消)
▼種類の多種化▼
まず、プラレールとの比較をしてみる。
※印:測定値(=設計値+製造時のばらつき+測定誤差)
項目 | プチ電車シリーズ | プラレール |
---|---|---|
基本直線の長さ | ※194 | 216 |
基本曲線の半径 | ※191 | 基本直線の長さと同じ |
基本曲線の角度 | π/4 [rad] | π/4 [rad] |
複線の間隔 | ※58 | ※60 |
高架の高さ | ※60 | ※66 |
全外幅(W1) | ※30 | ※38 |
溝内幅(W2) | ※6.5 | ※8 |
中央溝内幅(W3) | ※11.5 | ※15 |
溝ピッチ・中心-中心(P) | ※20.5 | ※26 |
高さ・厚さ(H1) | ※8弱 | ※8強 |
溝深さ外側(H2) | ※3 | ※3 |
溝深さ内側 | ※2.5 | ※3 |

次に、プラレールのレールの種類を、もちろん全てではないけれど整理してみる。
※独断と偏見で、橋脚をレールに含めてある。
単線 | 複線 | 坂 | 高架・地下 | |
---|---|---|---|---|
直線 | ・R-01 直線レール ・R-02 1/2直線レール ・R-20 1/4直線レール(凹凸、凹凹、凸凸) ・R-07 2倍直線レール ・エコ直線レール ・ジョイントレール |
・R-04 複線直線レール | ・R-06 ニュー坂レール ・専用1/2直線レール(トミカと遊ぼう! DX 踏切ステーション、凹凸、凸凸) |
・R-26 高架直線レール ・R-25 地下直線レール |
曲線 | ・R-03 曲線レール ・R-21 2倍曲線レール ・エコ曲線レール |
・R-05 複線曲線レール ・R-09 複線外側曲線レール ・R-10 Uターンレール |
・R-18 坂曲線レール | ・R-27 高架曲線レール ・複線外側高架曲線レール(プラレールアドバンス 超電導リニアL0系 高架レールセット) |
ターンアウト系(方向を変えて分岐) | ・R-11 ターンアウトレール ・R-12 8の字ポイントレール ・R-17 3分岐ポイントレール ・R-19 自動ターンアウトレール ・ダブルターンアウトレール(J-24 車両基地) |
・R-28 複線ターンアウトレール | ||
ポイント系(平行に分岐) | ・R-22 Y字ポイントレール | ・R-13 単線・複線ポイントレール ・R-24 複線わたりポイントレール ・R-15 複線幅広ポイントレール ・R-15 複線ポイントレール(レバー操作タイプ、ノンレバータイプ) ・複線コントロールポイント(レバーでダッシュ!! 超スピード ドクターイエローセット) ・自動クロスレール(レーンがクロス!E5系新幹線はやぶさベーシックセット) ・R-17 ニューてんてつき ・単線・複々線ポイントレール(おおきな列車メンテナンスステーション) ・単線・複線Y字ポイントレール ・てんてつき(4線分岐) |
・高架ポイント(700系発進!新幹線ステーションセット) | |
交差 | ・R-14 交差ポイントレール | |||
橋脚 | ・J-14 ブロック橋脚 ・エコブロック橋脚 ・煉瓦調(石積み?)橋脚(四角形) ・煉瓦調(石積み?)橋脚(角丸形) ・高架レール用橋脚(東北新幹線青森延伸記念E2系はやて高架レールセット) ・はしげた |
・J-22 複線ブロック橋脚 ・ふくせんはしげた ・道路対応橋脚(いっしょにひろげよう!トミカとプラレールのニュータウンセット) |
・J-15 ミニ橋脚 | |
ストップ | ・R-08 ストップレール ・車両基地ストップレール(J-24 車両基地) |
ダブルスタートレール(レーンがクロス!E5系新幹線はやぶさベーシックセット) | ||
その他 | ・R-23 まがレール ・R-16 自動ポイントレール ・スピードかえレール(はやい)、スピードかえレール(ゆっくり)(レバーでダッシュ!! 超スピード ドクターイエローセット、レーンがクロス!E5系新幹線はやぶさベーシックセット) ・ジョイントパーツ(凸凸) ・TR-01 おしゃべりレールセットA ・TR-02 おしゃべりレールセットB ・TR-03 おしゃべりレールセットC ・道路対応橋脚(いっしょにひろげよう!トミカとプラレールのニュータウンセット) ・大曲線レール ・Y型レール(強制的に左側分岐するスプリングポイントのような機能) ・大坂レール ・スイッチバックレール(単体用) ・スイッチバックレール(連結用) ・連結切り離しレール ・自動分岐レール |
商品化されていない線路を考えてみる。
●長さ調整線路 41.8mm(90.3mm、138.8mm、187.3mm)
曲線線路4本の蛇行と直線線路3本の長さの辻褄を合わせられる。「No.2 1/2直線線路」または「No.10 1/4ジョイント線路」を切って作る。これなら、長さを延長すると「No.7 駅」を中に置くことができて「島式ホーム」ができる。他にも、直線線路や1/2直線線路の長さを短くした、187.3mmや138.8mmや90.3mm線路を作っても同じようなレイアウトができる。


●長さ調整線路 16.643mm(65.143mm、113.643mm、162.143mm)
単線の島式1面2線の駅で、曲線を含んだレイアウトを作る場合に必要になる。

●長さ調整線路 28.411mm(76.911mm、125.411mm、173.911mm)
複線の島式1面2線の駅で、曲線を含んだレイアウトを作る場合に必要になる。複線の外側曲線を、45度の接続部分に「No.10 1/4ジョイント線路」を挟むことで外へ膨らませる。

●間隔調整線路 13mm
「No.7 ポイント線路」の間隔は58mmなので、間に「No.7 駅」を置くことはできない。置くために必要な間隔は71mmのため、13mmのズレがある。

これをつなげる方法は、例えば
- 「No.3 曲線線路」を切ってS字形に接着またはネジ止めでつなげる
- 「No.3 曲線線路」と「No.9 複線用曲線線路」を切ってS字形に接着またはネジ止めでつなげる
- 「No.6 ターンアウト線路」と「No.3 曲線線路」を切ってS字形に接着またはネジ止めでつなげる
- 「No.6 ターンアウト線路」と「No.9 複線用曲線線路」を切ってS字形に接着またはネジ止めでつなげる
- 「No.6 ターンアウト線路」を中間で切って先端をひっくり返したS字の中間に「No.1 直線線路」を切って挟み接着またはネジ止めでつなげる
- 「No.6 ターンアウト線路」と「No.3 曲線線路」を切ったS字の中間に「No.1 直線線路」を切って挟み接着またはネジ止めでつなげる
- 「No.6 ターンアウト線路」を切ってその先に自作の曲線をつなぐ
- 「No.6 ターンアウト線路」の先に自作の曲線と直線をつなぐ
といった方法が考えられる。
「No.3 曲線線路」でS字形線路を作る場合、間隔のズレ(オフセット)を13mmにするには角度が約14.991度となり直線距離は約98.908mmとなる。
直線距離を「No.2 1/2直線線路」と同じ97mmにするには角度が約14.710度となり間隔のズレ(オフセット)は約12.521mmとなる。

「No.3 曲線線路」と「No.9 複線用曲線線路」でS字形線路を作る場合、直線距離を「No.2 1/2直線線路」と同じ97mmにするには角度が約12.736度となり間隔のズレ(オフセット)は約14.422mmとなる。
「No.6 ターンアウト線路」と「No.3 曲線線路」をつなげる場合、間隔のズレ(オフセット)を71mmにするには角度が約35.498度となり直線距離は約221.817mmとなる。
直線距離を「No.1 直線線路」と「No.10 1/4ジョイント線路」の半分をつなげた長さ相当の218.25mmにするには角度が約34.843度となり間隔のズレ(オフセット)は約68.486mmとなる。
「No.6 ターンアウト線路」と「No.9 複線用曲線線路」をつなげる場合、直線距離を「No.1 直線線路」と「No.10 1/4ジョイント線路」をつなげた長さ相当の242.5mmにするには角度が約33.445度となり間隔のズレ(オフセット)は約72.857mmとなる。
「No.6 ターンアウト線路」を中間の22.5度で切ったS字の中間に「No.1 直線線路」を切って挟む場合、間隔のズレ(オフセット)を71mmにするには中間の直線の長さが約109.547mmとなり直線距離は約247.394mmとなる。
直線距離を266.75mmにするには中間の直線の長さが約130.499mmとなり間隔のズレ(オフセット)は約79.018mmとなる。
「No.6 ターンアウト線路」と「No.3 曲線線路」を切って「No.1 直線線路」を切って挟む場合、直線距離が「No.1 直線線路」と「No.10 1/4ジョイント線路」をつなげた長さ相当の242.5mmで間隔のズレ(オフセット)が71mmにするには角度が約23.557度となり中間の直線の長さが約97.996mmとなる。
「No.6 ターンアウト線路」を切って自作の曲線をつなげる場合、角度が約40.203度となり自作曲線の半径は約109.542mmとなる。
「No.6 ターンアウト線路」の先に自作の曲線と「No.1 直線線路」を切ってつなげる場合、自作曲線の半径は約51.409mm、直線の長さは約22.591mmとなる。
●リレーラー線路
リレーラーとは、
- 車両を線路に載せる
- 脱輪した車輪をレールに載せる(戻す)
ためのもの。
種類は、大きく分けて
- 細長い台形のすべり台のような形で、車両を載せるだけで、載せたら取り外す
- レールと一体化していて、車両を載せるのと脱輪を戻す両方に対応しており、踏切風になっているものもある
レール一体型を考えてみる。
車輪をレールに戻すステップは、
- 脱輪している車輪を、レールを越えるために上面の高さまで持ち上げる
- 車輪を元の位置に寄せる
- レールに載る(落ちる)
また、正常な車両の走行に支障ない構造でなければならない。
プチ電車シリーズの線路では、鉄道模型の線路と違い
- 線路中央に落ちている車輪は、つなぎ目を通る時点で乗り上げてレール上面の高さになっているため、溝を埋めるだけになる
- 車両の下面中央と線路上面との隙間が0.5mmしかないため、車輪を中央から外側へ寄せる機能は付けられない
となる。
作ってみると、こんな感じ。脱輪を戻すことはできるが残念な印象。そもそもリレーラーレールが必要かどうかという問題も残る。

線路そのものではなく、並べ方の例
●8の字コース(レイアウトプラン)
プチ電車シリーズには、プラレールの「R-12 8の字ポイントレール」のような線路が無いため、代わりに「なんちゃって8の字」を考えてみる。
まずは中心に「No.8 クロス線路ミニ」「No.10 1/4ジョイント線路」「No.2 1/2直線線路」を配置してシンプルな「∞型」。

「No.14 複線用クロスポイント線路」を使った場合。

その他のバリエーションいろいろ。

立体交差の場合は、坂曲線が無いため、こんな感じ。

また、「No.4 橋脚」は上下で直角に交差できるという特長を活かして、このようにもできる。

複線の場合、まず考えられるのは、「No.8 クロス線路ミニ」を4本組み合わせるもの。ただし、これには問題があり、
・複線間隔に合う直線線路が無いため、誤差を無理やりつなげることになり線路が破損する可能性がある。
・衝突が頻発してしまう
・複線間隔に合う直線線路が無いため、誤差を無理やりつなげることになり線路が破損する可能性がある。
・衝突が頻発してしまう


衝突は、ふたつの交差を平面交差ではなく立体交差にすることで避けられる。ただし、複線間隔問題は、直線線路を改造しなければ解決できない。


●タワーコース
プラレールと比べてレールの種類が少ないプチ電車シリーズでは、タワーレイアウトでも「プラレールでは出来てもプチ電車シリーズではできないレイアウトプラン」がある。
ところが、逆に「プラレールでは出来ないのにプチ電車シリーズでは出来るレイアウトプラン」もある。


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