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2016年2月15日 (月)

無線LANルーター 「WRC-733FEBK-A」(エレコム ELECOM 製)を買ってみた

■買ったもの

種類:無線LANブロードバンドルーター / 無線LANルーター / 無線LAN親機 / WiFiルーター
メーカー/ブランド名:エレコム / ELECOM
商品名:11ac 433Mbps 無線LANルーター WRC-733FEBK-A
型番:WRC-733FEBK-A
JAN:4953103441125
購入先:NTT-X Store 箱汚れ特価コーナー
価格:1,980円(税+送料込み)

■何でか

シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」では、無線LAN(Wi-Fi / WiFi)接続させるのが面倒。複数の「Raspberry Pi」や、さまざまなOSをセットアップする場合には、「イーサネットコンバータ」があると設定不要で無線LAN接続ができるので便利。
そこで、「イーサネットコンバータ」としても使えるモードを備える「無線LANブロードバンドルータ」を購入することにした。
「Raspberry Pi」を「イーサネットコンバータ」に仕立てることもできる(と思う)けど、既成品のほうが、かなり安い。

■どんなものか

「イーサネットコンバータ」「無線LANコンバータ」「LAN端子用無線LANユニット」などと呼ばれる製品は、有線LAN端子のある機器を無線LANで接続するためのアダプターのようなもの。デスクトップパソコンには無線LANの通信機能が無いものがあるけれど、USB端子にWiFi子機(USB無線LANアダプタ、Wi-Fiアダプタ、WiFiドングル)を接続すれば済む。
しかし、テレビやHDDレコーダーといった家電などでは、有線LAN端子しかなかったり、USB端子はあるけれどハードディスクやUSBメモリしか対応しないために、USB無線LANアダプタを使えない場合がある。そのような場合に使える。

以前は専用の機器が販売されていたが、最近は「無線LANブロードバンドルータ」に「無線子機モード」「子機モード」「コンバータモード」などと呼ばれる機能があり、切り替えるとイーサネットコンバータとして使えるようになっている。
無線LANを含むネットワーク機器(イーサネット関連)には、さまざまな役割の機器がある。「無線LANブロードバンドルータ」によっては、モード切り換えにより、それらの役割に変更できるものも多い。

◆アクセスポイント(AP)
無線LANの子機を、有線LANに接続させる変換器
「無線LANブロードバンドルータ」をアクセスポイントモードにする場合、製品によっては有線LANポートからも接続できる。この場合は、「ブリッジモード」とも呼ばれる機能と同じ。
Ggt020

◆イーサネットコンバータ
有線LANの機器を、無線LANの親機に接続させる変換器
Ggt021

◆中継機(中継器)、リピーター、WDS
無線LANの子機を、電波の届かない無線LANの親機に接続させる中継機
「無線LANブロードバンドルータ」を中継機モード(中継機能、リピーターモード、リピーター機能、WDS)にする場合、製品によっては有線LANポートからも接続できる。この場合は、「コンバータモード」と呼ばれる機能を含んでいることになる。
Ggt022

◆ブリッジモード
接続する機器や子機の関係は「無線LANブロードバンドルーター」と同じだけれど、アドレス変換(NAT、IPマスカレードなど)やポート制御(簡易ファイヤウォール)を行わないため、LANの中では同じグループに属する。
Ggt023

◆ホテルルータ、トラベルルータ、ポータブルルータ
ホテルの客室に用意されたネットワークに接続する際、使用する変換器。
本体形状は携帯しやすいように小型で、電源に「USB ACアダプタ」を使えたり、コンセントに直接させるようになっている。
機能は、無線LANアクセスポイントタイプと、無線LAN中継機タイプがある。
無線LANアクセスポイントタイプは、ホテルの客室に有線LANしかない場合に、スマホなど無線LANの機器を接続させるためのもの。
無線LAN中継機タイプは、ホテルの客室のネットワークが無線LANの場合に、複数の無線LANの機器をまとめて接続させるためのもの。ホテルごとに異なるネットワーク設定を、ルータ(中継機)に1回するだけで済む。
余談だが、ホテルのLANに接続する時にウィルスソフトなどに感染したり、通信内容を盗み取られる場合がある。

◆ USB 無線LANアダプタ、USB WiFiアダプタ、WiFiドングル
パソコンなどのUSB端子(ホスト、親側)から無線LAN(WiFi、Wi-Fi)に接続させる変換器。

◆ USB LANアダプタ、有線LANアダプタ
パソコンなどのUSB端子(ホスト、親側)から有線LANに接続させる変換器。

◆ USBデバイスサーバ、LANコンバータ
USB機器(デバイス、子側になるプリンターやUSBメモリー、外付けハードディスク)を、有線または無線LANに接続させてネットワーク上の複数の機器で共有させるための変換器。

◆プリントサーバ、プリンタサーバ
ネットワーク接続機能を持たないプリンターを、有線または無線LANに接続させてネットワーク上の複数の機器で共有させるための変換器。USB接続のプリンターの他にも、セントロニクス・パラレル・インターフェース接続のプリンター用のものもある。

■使ってみて

ハズレ商品。買って損したと後悔。ただし、「無線LANブロードバンドルーター」としては使っていないため、本来の用途での評価はしていない。ところが、リセットボタンが効かなくなり、初期化できず「無線LANルーター」をはじめとして、全く使えなくなった(全機能停止)。

ここで疑念を抱かざるを得ない。この商品は、ファームウェアのアップデートの不具合で無償交換をしている「無線LANルーター「WRC-300FEBK-A」「WRC-733FEBK-A」に関するお詫びとお願い」。
ところが、

  • 不具合のある製品のシリアル番号が非公開
  • 不具合のある製品のファームウェアバージョンが非公開
  • 箱は美麗で全く問題ないのに「箱汚れ特価」として売りさばかれている

メーカーの対応としてはあまり見かけない。
理由として考えられるのは、

  • 製造ロットとシリアル番号の対応記録がない(品質管理ができていない)
  • 不具合の原因を特定する技術力がないため、交換対象のシリアル番号やファームウェアバージョンを、特定できない
  • 不具合が発生する可能性がある製品はすべてなので、シリアル番号やファームウェアバージョンを公開する必要がないが、発生するかどうかは品質のばらつきによるもので、そこまで品質管理できていない
  • 不具合が発生する可能性がある製品はすべてだが、発生のきっかけは「自動ファームウェアアップデート時」なので、ファームウェアの提供を止めてしまえば、不具合のある製品だとしても消費者にはバレないから、シリアル番号などは公開しないで不具合が出た製品“だけ”を無償交換すれば費用を削減できる
  • 不具合のある製品でも売り切ってしまい、保証期間が過ぎてから(逃げ切ってから)ファームウェアの提供を再開すれば、修理費用は全額を消費者側の負担に押し付けられる
  • 他の不具合があっても、無償交換ではなく1年保証扱いでメーカーへの送料は消費者側の負担に押し付けられる

など。
「対象製品であっても正常に稼働している場合は問題ございません」とあるが、それはファームウェアの提供を止めているからであり、実質的にメーカーが自動アップデートを無効にしているから。それなら「製品の特徴」に、「安心 オートファームウェアアップデート機能」を載せているのは「不当広告」の疑いがある。
「新機能やバグ修正など、常に最新のプログラムでルータをお使いいただけます。」とあるが、新機能はまだしもバグは放置しますと言っているようなもの。
そうでないとするならば、

  • シリアル番号を公開して、不具合のあるなしに関わらず全て無償交換
  • 保証期間を、修正版ファームウェアを公開して(自動アップデートの再開)から1年に延長

して然るべき。でないと「消費者庁に訴えられる」とか「国民生活センターに訴えられる」とか「掲示板で叩かれる」とか「公式フェイスブック」が炎上するかもしれない。
良心的な企業かどうか、白か黒かは、「2015/09/07 現在、ダウンロードを一時停止しております」の「一時停止」が保証期間の「1年」より長いかどうかで判明する。

◆いいところ
(マトモに使える品質ならば)安い
(マトモに使える品質ならば)小さい

◆ダメなところ

  • 速度が致命的に遅い
  • ファームウェアがダメ
  • 設定画面がダメ
  • ユーティリティソフト、アプリがダメ
  • 取扱説明書がダメ

速度に関しては、無線LAN(802.11n 2.4GHz)と有線LANのどちらでも接続できるPCで、同じ無線LAN親機に接続したところ、子機モードの「WRC-733FEBK-A」経由では絶望的に遅い。ヒドイ時には、ウェブサイトを開こうとしても、ことごとくタイムアウトになり「サーバーが応答していません」となった。
無線LANと有線LANの規格(理論値)の速度差(300Mと100M)どころではない低速ぶり。
同時に同一条件で比較できないため参考となるが、通信速度測定サイトの結果は、以下のようになった。

「Raspberry Pi」でアップデートしようとすると、終了予測が数日後となってしまう始末。

ファームウェアに関しては、設定画面から子機モードで親機を設定しても全く反映(記憶)されない。IPアドレスが「192.168.2.1」から変わり不明になるため、ハードリセットボタンを押して設定を初期化して最初からやり直し。
SSIDやパスフレーズは、正しいテキストからコピペしているため入力ミスはしていない。
結局どうしたかというと、スマホからユーティリティアプリを使って設定すると、SSIDだけ記憶された。次に有線LAN経由の設定画面からパスフレーズ(パスキー)を登録すると、ようやく設定できた。この作業にまる2日掛かった。
無線LAN接続ができない機器を接続するためには、無線LAN接続ができる機器が必要という矛盾。
更新版は、「2015/09/07 ・現在、ダウンロードを一時停止しております。ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。」となっていて提供されていない。「ご迷惑」とは、「“商品”として“代金”は取るが、全く機能しなくて使えない」こと。それを「了承しろ」ということ。
売り文句が「オートファームウェアアップデート機能」搭載で“安心”となっているが、ファームウェアの提供が停止されているのだからアップデートされない。

設定画面に関しては、子機モードへの切り換えを選択すると、再起動するように促される。これがヒドイ罠で、ここで再起動してしまうと設定画面を開くIPアドレス「http://192.168.2.1」が変わり見失ってしまい、親機のSSIDやパスフレーズの設定ができなくなってしまう。もちろん、このままでは接続できない。ハードリセットボタンを押して設定を初期化して最初からやり直し。
子機モードへの切り換えを選択したら、画面の指示は無視して再起動しないで親機の接続設定をしなければならない。ただし、次の罠が仕掛けられていて、ファームウェアの欠陥により接続を設定しても保存されず、再起動しても設定は空っぽ。もちろん、このままでは接続できない。ハードリセットボタンを押して設定を初期化して最初からやり直し。
無線LANの子機で、親機の通信設定する場合は、接続確認のプロセスを入れて入力ミスのチェックができるようにするべき。ゲーム機などでは当たり前となっている機能が実装されていない。不親切さでは外国製品並み。
「再起動」のボタンは、一部の項目の設定を変更した時だけしか現れない。同時に現れる「後で再起動」を選択したあと、「LEDの省電力設定」や「設定をファイルに保存」した後で再起動したくても、ボタンが無いため電源を切りに行かなくてはならない。

ユーティリティソフト「Sky LinkManager」に関しては、PC用であっても、まず無線LANで親機を探すことから始まる。つまり、有線LANからイーサネットコンバータとして使う設定をしたくても全く使い物にならない。
…と思いきや、ファームウェアの欠陥対策には、使わなければならないという結果になる。

取扱説明書に関しては、設定画面を開くIPアドレスが「本製品(無線親機)に接続する」には、全く一切書かれていない。製品情報の「FAQ(困ったときは)」に、「Webブラウザーに『http://192.168.2.1』と入力しても『表示されません』となります」と書かれているだけ。
WPSを利用できない環境では使用しないでください。という方針らしい。

また、2.5GHz帯と5GHz帯に両対応という点は“でっかく”書いてあるが、中継器モードでは、とぢらか一方しか使えないという事実は“小さく、こっそり”しか書かれていない。

■結局のところ

ハードのリセットボタンが効かなくなり、全機能が使用不能となり。、高価で邪魔な不燃ゴミになってしまった。
管理画面を開けないため、リセットボタンを押したがリセットされない。「製品Q&A」の「リセットボタンが効かない場合は?」の答えは、「管理画面からリセットしろ」

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